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zoom RSS 何ともないと突っぱねる認知症の人を病院に連れていくには?

<<   作成日時 : 2014/10/19 22:06   >>

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よくある話です。

週刊朝日記事

「何ともない」と突っぱねる「認知症」の人を病院に連れていくには?


(更新 2014/7/24 07:00)


 70代の母親の様子がおかしいのですが、病院に連れていけないまま、もう2年が過ぎてしまいました──。

 認知症の支援団体「認知症の人と家族の会」東京都支部の代表、大野教子さん(63)が最近、40代の女性から受けた相談だ。

 その女性は両親と離れて住んでいるが、実家に顔を出すたび母親が食品を腐らせていたり、同じことを繰り返したりするので、認知症を疑ったという。だが、それとなく母親に伝えても、「何ともない」と突っぱねられる。父親は諦めた感じで「もういいよ」と言う。病院での受診ができないまま、月日ばかりが過ぎてしまったというのだ。

 大野さんはこの女性に、

「お父さんに協力してもらって、お母さんと一緒にかかりつけ医に行き、医師に夫婦で脳ドックを受けるよう勧めてもらってはどうですか」

 と提案した。女性は一人娘で、今後の介護で両親から頼られる存在になる可能性が高い。そのため、女性と両親との信頼関係が壊れないよう、周りの人の力を借りる必要があると判断したからだ。

「認知症の人と家族の会」は全国に1万人の会員がいる。1980年に設立以来、家族などからの認知症に関する電話相談に応じている。

「認知症の疑いがある人をどうやって病院に連れていけばいい? そんな相談は以前から多いんです」と大野さんは言う。

「82年から2011年までの相談で最も多いのは『介護の方法や精神的援助』について(49%)ですが、次いで多いのが『受診希望』(17%)、つまり病院に連れていきたいがどうしたらいいかといった、家族の悩みなのです」

 医師の受診は、認知症の疑いがある人にとって、病気かどうかの判断を受け、治療につながっていく“はじめの一歩”だ。だがその肝心のスタート地点に、なかなか立てないケースが多いというのだ。

「専門機関の受診が遅れる最たる理由は本人の拒否ですが、家族が受診を無理強いしたことで本人の心が落ち着かず、症状が進みやすくなることもあります。かといって家族が気を使いすぎ、見て見ぬふりをして受診が遅れると病気が進行しかねない」(大野さん)

 本人だけではなく、家族が認知症という現実を受け入れられずに受診を退けたり、家族間で意見が分かれるケースもあるという。

 実は大野さん自身、「嫁の立場」でこの問題にぶつかり、義母の認知症の診断まで4年も要したという。

 それは19年前にさかのぼる。地方で一人暮らしをしていた義母(当時81歳)が交通事故に遭い、それを機に東京に呼び寄せて息子家族と5人で暮らし始めた。

「ところが一緒に暮らすと、おかしな行動が目立つ。認知症じゃない?と思ったのですが、夫に言っても義姉に言っても、『年をとって性格が変わっただけではないか』『病院に行く必要はないと思う』と、取り合ってもらえなかった。嫁の立場では、それ以上は強く言えませんでした」

 だが、その後、義姉が義母と暮らすことになり、そこでやっと「お母さんがおかしい!」とわかってもらえて、病院に連れていくことができたという。その時点で義母は長谷川式認知症スケールの得点が18点。診断は脳血管性認知症だった。


「義母は今年100歳で健在ですが、今は夫と2人の義姉、孫たちみんなで面倒を見ています。私の顔を見ると『何かうまいものはないかい?』なんて聞いてくれますが、早く診断を受けていれば、混乱せずにもっといい対応ができたかなという思いもあります」

 本人にとっても家族にとっても大きなストレスとなる受診拒否問題は、役所や地域包括支援センターなどにも相談することができる。地域に「認知症サポート医」がいれば、支援センターなどの相談にのる。認知症サポート医は05年に国が始めた制度で、かかりつけ医の相談役になったり、必要に応じて専門医につないだりして、地域連携を進める役割を担う。

 勤医協中央病院(札幌市)の名誉院長で06年から認知症サポート医として認知症患者を診る伊古田俊夫医師は、この5年間で10例ほどの「受診拒否」の相談を受けたという。

「受診を拒否した場合、ごく単純な誘導策としては、湿疹があるようだから診察を受けましょうとか、健康診断を受けましょうとか理由をつけて、医療機関に連れていく方法があります」

 たとえば、通院中の疾患があればそれを口実にしてかかりつけ医から専門医を紹介してもらったり、風邪や頭痛をきっかけに受診させて、その際に相談するのも一つの方法だ。いずれも成功の鍵は、「事前」に病院側に相談しておくことだ。

「介護している家族が、『私、頭痛がひどいので病院に行きます。一緒についてきて!』と自らの受診への同伴をお願いする方法もあります。成功率は高くはありませんが、プライドの高い方を病院に誘うにはよいでしょう。これも医療機関側との事前の打ち合わせが必要です」

※週刊朝日  2014年8月1日号より抜粋

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